T 遺伝性疾患
遺伝性疾患と繁殖のお話
どんな犬種でもそれぞれ固有の遺伝的な疾患をかかえています。 長い年月をかけて犬は人間の手により改良されてきました。
「スタンダード犬」や「MIX(雑種)犬」という言葉を聞いたことがあると思います。
スタンダードを守っていくということは同じ特徴の犬同士を掛け合わせていく事になります。
その結果血統が近くなり遺伝的な疾患の発生の確立が高くなり、そのような犬種固有の疾患が遺伝性疾患と呼ばれるものです。
遺伝性疾患を減らしていくには、可能な限り遺伝性疾患の検査を行い、遺伝性疾患をもっていない犬同士で子孫を残していくことが必要になります。
これはブリーダーさんの努力と素人の安易な繁殖を減らしていく必要があります。
このように犬種の向上のために勉強し、努力しているのが良心的なブリーダーですが、儲け目的で人気犬種の近親繁殖を繰り返す悪質なブリーダーがいるのが現状です。
もちろん専門的な知識のないわたし達素人も繁殖を安易に行うべきではありません。というのも、繁殖をするために必要な知識は膨大に必要だからです。
「赤ちゃんを産ませてあげないのは不自然なことだからかわいそう?」
でしたら人間が犬を飼っているということは自然な事なのでしょうか?
犬は赤ちゃんを産むことを望んでいるわけではないと思います。
飼い主と幸せな時間を過ごせること、愛情を注いでくれる事を望んでいると思います。
生まれてきた赤ちゃんすべてに対し責任をとれる覚悟がない場合は、安易に繁殖するべきではありません。
チワワの遺伝性疾患
チワワも遺伝性疾患をかかえています。ブリーダーの努力で遺伝性疾患を減らすことはできるのですが、100%なくすというのはなかなか難しいのです。
親や兄弟がみんな健康でも、ある時、病気をもった子がでてきてしまったりします。
チワワの遺伝性疾患をあげると「水頭症(すいとうしょう)」「膝蓋骨脱臼」「気管虚脱」「h白内障」
この中で特に発症し易いのが、「水頭症」です。
チワワはリンゴのような頭のアップルヘッドが特徴的ですが、大きな頭をもっているために、頭に関する病気になりやすいのです。
■泉門開口(ペコ、モレラ)
頭の頭頂部を触った時に穴が開いている病気。つまり泉門が開いている状態です。泉門開口よりもペコという呼び名の方が一般的です。
通常は犬の頭の骨に隙間ができる事はないのですが、チワワの場合は泉門の開口部が大きく、閉じない場合が多いのです。
ただ、大半のチワワの仔犬はペコをもっており、珍しい病気ではありませんし、ペコが大きすぎなければ健康には問題がありません。また、仔犬の頃はペコがあっても成長と共に塞がる場合もあります。
健康には問題がありませんが、頭の骨に隙間があるということは、頭を打った場合、脳を保護する骨がないので、衝撃が直接伝わってしまいます。
頭に強い衝撃を与えないように注意してください。
■水頭症(すいとうしょう)
脳の中にある脳室で脳脊髄液が異常に貯まってしまい脳を圧迫する病気。くも膜下腔に貯まる場合は、外水頭症と呼ばれます。
チワワの水頭症は遺伝的なものがほとんどで、ペコが大きい子の場合は一度獣医さんに診てもらった方が良いと思います。仔犬の購入時に水頭症をもった血統が混ざっていないか確認しましょう。
症状としては、「痙攣、発作、足もとのふらつき、視力の低下」など。
完治する可能性が極めて低い病気で、薬を飲み続ける事で症状を抑えます。水頭症の子は悲しい事ですが、多くの場合、短命です。
水頭症だと診断された場合は、病気を受け入れてあげてください。
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